2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

閉じこもるインターネット〜グーグル・パーソナライズ・民主主義〜イーライ・パリサー、井口耕二・訳、早川書房、p.344、\2100

原題は「The Filter Bubble(フィルター・バブル)」。インターネットが自由でパブリックでオープンな場から、カスタマイズが進み個々のユーザーに最適化されたクローズドな場へと変容している状況に警鐘を鳴らした書である。Google、Amazon、Facebookなどの…

閉じこもるインターネット〜グーグル・パーソナライズ・民主主義〜イーライ・パリサー、井口耕二・訳、早川書房、p.344、\2100

原題は「The Filter Bubble(フィルター・バブル)」。インターネットが自由でパブリックでオープンな場から、カスタマイズが進み個々のユーザーに最適化されたクローズドな場へと変容している状況に警鐘を鳴らした書である。Google、Amazon、Facebookなどの…

途中下車〜パニック障害になって。息子との旅と、再生の記録〜、北村森、河出書房新社、p.237、\1500

筆者は日経TRENDYの前編集長。編集長として活躍していた40歳の秋に発症したパニック障害に対して、どのように向き合ったかを綴った書である。家族や会社、同僚などとの関係と、そのときどきの心の動きを詳細に描いている。実は日経ホーム出版と日経BP社が合…

失敗の本質〜戦場のリーダーシップ篇〜、野中郁次郎、杉之尾宜生、戸部良一、土居征夫、河野仁、山内昌之、菊澤研宗、ダイヤモンド社、p.336、\1890

1984年に出版された「失敗の本質」の続編。日本軍の幹部の失敗と(数少ない)成功を題材に、リーダーと組織の在るべき姿を論じる。前作同様、事例が豊富で読み応えがある。一方で「続編がベストセラーの前作を上回ることは難しい」という一般則を改めて思い…

渋沢栄一〈2〉論語篇、鹿島茂、文藝春秋、p.457、¥2100

仏文学者・鹿島茂による渋沢栄一の評伝の後編。中年以降、実業家・起業家として七面六臂の活躍をし、民間外交に駆け回る財界人としての渋沢を丹念に追う。最後には艶福家と言われる私生活や家道楽といったプライベートな面にまで踏み込んで、渋沢の実像に迫…

冥王星を殺したのは私です、マイク・ブラウン、梶山あゆみ・訳、飛鳥新社、p.352、\1680

あまり期待せずに読み始めた太陽系惑星を巡るノンフィクション。よい方向に完全に裏切られた。非常に満足度が高くお薦めである。感動、ロマンス、友情、陰謀、笑い、インチキ、官僚主義などの要素がふんだんに含まれた一級のエンタテインメントに仕上がって…

身につまされる江戸のお家騒動、榎本秋、朝日新書、p.264、\819

江戸時代に起こった40件のお家騒動を紹介した書。有名な伊達騒動や宇都宮釣り天井事件、佐賀鍋島藩の猫化け騒動などを冒頭で取り上げられており、ぐっと引き込まれる。大名の名前はよく似ているので登場人物が多いと頭が混乱するが、複雑なケースについて筆…