2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

メディアと日本人〜変わりゆく日常〜、橋元良明、岩波新書、p.224、¥798

1995年〜2010年までの「日本人の情報行動調査」に基づき、日本人が新聞・ラジオ・テレビ・インターネット・書籍といったメディアとどのように関わってきたか、生活がどのように変化したかを論じた書。テレビ離れや書籍離れは本当か、メディアは子供に悪影響…

僕は君たちに武器を配りたい、瀧本哲史、講談社、p.296、\1890

京都大学客員准教授が、社会人として生き残るための知恵を20代の若者に授けた書。どのような企業や業界に気をつけるべきか、どういった人材になるべきかを論じている。筆者は、マッキンゼーでのエレクトロニクス業界向けコンサルタントを経て、現在はエンゼ…

限界集落の真実〜過疎の村は消えるか?〜、山下祐介、ちくま新書、p.285、¥924

限界集落と聞くと、高齢化が進み、いずれ消滅していく過疎地域といった印象を多くの方が持つのではないか。本書はこうした定説を、地域社会学者の著者が現地取材をもとに否定した書。ここでいう限界集落とは、65歳以上の高齢者が人口の半数以上を占め、独居…

アイスマン〜史上最大のサイバー犯罪はいかに行なわれたか〜、ケビン・ポールセン、島村浩子・訳、祥伝社、p.311、\1680

「アイスマン」と呼ばれた悪玉ハッカーを追ったノンフィクション。アイスマン(本名はマックス・バトラー)は、小売店のサーバーなどに侵入して200万件にのぼるクレジットカード情報を盗み出し、懲役13年の刑を受けた。本書は、かつてFBIの捜査に協力する犯…

国家対巨大銀行〜金融の肥大化による新たな危機〜、サイモン・ジョンソン、ジェームズ・クワック、村井章子・訳、ダイヤモンド社、p.320、\1890

リーマンショックで顕在化した巨大銀行の「大きすぎてつぶせない」問題。本書は、現MITスローン校教授の経済学者が、その問題の根源をウォール街とワシントン(政府と官僚機構)の癒着に求めた書である。過去200年の金融の不祥事と危機の歴史、米国の政策を…

メルトダウン〜ドキュメント福島第一原発事故〜、大鹿靖明、講談社、p.370、¥1680

2011年3月11日午後2時46分。分単位まで頭に入っている東日本大地震から1年。いまだ多くの傷跡を残している。なかでも最大のものは福島原発事故だろう。廃炉などの後始末も重要だが、あのとき何が起こったかの検証は不可欠である。政府が設置した複数の会議で…

Where Good Ideas Come From: The Natural History of Innovation、Steven Johnson、Riverhead Trade、p.336、$16

発明やイノベーションのアイデアがどういった状況・環境から生まれたかを探った書。ダーウインの進化論、グーテンベルク、複式簿記といった話題から、Google、YouTube、Appleの最近の話まで、本書のカバー範囲はきわめて広い。かつては発明から製品化までに1…

隠語の民俗学〜差別とアイデンティティ〜、礫川全次、河出書房新社、p.190、¥1890

隠語のルーツや隠された意味などを探った書。ずいぶん風変わりな書である。筆者によると、隠語の研究は進んでおらず、学説や定説がほとんど形成されていないという。それだけに隠語の形成過程や含意などを解明するときに、想像をたくましくすることができる…

サムスンの真実、金勇・著、藤田俊一・監修、金智子・訳、バジリコ、p.384、¥1890

不振をかこつ日本の電機産業を尻目に、好調を維持するサムスン電子。本書はそのサムスン電子の暗部を元幹部が告発した書である。にわかには信じられない違法行為の数々をえぐりだしている。筆者は、韓国の元特捜検事でサムスン幹部を経て現在は弁護士。サム…