2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

言語学者が政治家を丸裸にする,東照二,文芸春秋,p.270,\1619

「政治的な雪崩を起こすのは,書かれたことばではなく,話されることばの魔力だけだ」。本書で筆者が取り上げている格言(ヒトラーだったと記憶する)だが,その言葉の魔力を定量的に分析した書である。2冊連続で「推薦」を付けてしまったが,この本は文句な…

浮谷東次郎〜速すぎた男のドキュメント,岩崎呉夫,三樹書房,p.228,\1500

40年前,こんな素敵な人生を歩んだ青年がいたんだと感心させられる書。かなり前に雑誌サライで紹介されたときから気になっていたが,やっと入手。誤字があったり,文章が粗かったりと,本としての出来はイマイチ高くないが,それらを補って余りある浮谷東次…

となりのクレーマー〜「苦情を言う人」との交渉術,関根眞一,中公新書ラクレ,p.198,\720

このところ増えている顧客のクレーム対応に関する本。筆者は西武百貨店でお客様相談室長などを務め,現在はコンサルタント業を営む。「苦情学」という本もある。1300件以上の体験とその知見に基づいて本書を著したという。本書評では「ヤクザが店にやってき…

外注される戦争〜民間軍事会社の正体,菅原出,草思社,p.261,\1600

民間軍事会社(PMC:Private Military Company)の実体について,幹部へのインタビューや訓練に参加した実体験に基づいて書かれたルポルタージュ。筆者はフリーのジャーナリストを経て,現在は日本財団傘下の東京財団でフェローを務める菅原出。安全保障の専…

表舞台 裏舞台〜福本邦雄回顧録,講談社,p.299,\1800

福本邦雄というと,政商や政界のフィクサというイメージがある。竹下登の金屏風事件で名前が出てきたし,イトマン事件に絡んだKBS京都の社長だったり,銀座の画商というのも雰囲気満点。その福本へのインタビューを基に編んだのが本書である。福本がすべて正…

野蛮な来訪者〜RJRナビスコの陥落(上),ブライアン・バロー,ジョン・ヘルヤー,鈴田敦之・訳,三和総合研究所海外戦略部・監修,日本放送協会,p.448,\2000

RJRナビスコを舞台にした,抜群に面白い企業買収(正確にはLBO)劇。その舞台裏を追った名作ノンフィクションである。すでに絶版なのでAmazonの古書で入手。本好きにとって,絶版書を安価に入手できるAmazonのこの仕組みは素晴らしい。ずっと読みたいと思っ…

Steve Jobs' Greatest Presentation

Steve JobsのiPhone発表にみるプレゼンテーションの奥義5カ条。当たり前の内容だが,Jobs&iPhoneでポイントが高くなってしまう。 第1は徐々にテンションを高める。序破急ということか。 第2は1枚のスライドには一つのメッセージだけを書く。 第3は声のトー…

サービスサイエンス〜新時代を拓くイノベーション経営を目指して,亀岡秋男監修,北陸先端科学技術大学院大学MOTコース編集委員会,サービスサイエンス・イノベーションLLP,エヌ・ティー・エヌ,p.288,\1900

最近ちょっと気になる言葉「サービスサイエンス」。世の中,サービスへのシフトが進んでいるのは言を俟たないところ。実際,いまやGDPの70%が第3次産業が担っている。にも関わらず生産性はなかなか上がらない。日本は米国の半分という話もある。そのサービ…

AMD invests $7.5 million in Transmeta

Transmetaと言えば低消費電力。サーバーの消費電力が問題となるなか,再び脚光を浴び始めたということか。 He noted that AMD plans to further use Transmeta's energy-efficient technologies in its chips.

イタリア・マフィア,シルヴィオ・ピエルサンティ,朝田今日子(訳),ちくま新書,p.237,\720

イタリアといえば,サッカーのセリエA,ローマやバチカン,ラテン気質,ワインやオリーブなどなどが頭に浮かぶ。「マフィア」もイタリアを象徴するものの一つ。本書はそのマフィアの実態とイタリア政治や社会とのかかわりを詳細に書き込んでいる。著者は音楽…

捜査指揮〜判断と決断,岡田薫,寺尾正大(協力),東京法令出版,p.287,\1800

警察庁刑事局長や警視庁副総裁を歴任したキャリア官僚の書。官僚臭さを感じさせない思い切りの良い書き口が特徴になっている。本音ズバリという書き口は爽快で,保身や建前に走らないところがいい。例えば松本サリン事件における河野義行さんに対する警察の…