2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ニュートンと贋金づくり〜天才科学者が追った世紀の大犯罪〜、トマス・レヴェンソン著、寺西のぶ子・訳、白揚社、p.336、\2625

アイザック・ニュートンといえば古典力学。科学者としての突出した業績がすぐに頭に浮かぶ。そのニュートンの王立造幣局官僚としての知られざる姿を紹介したノンフィクション。ミステリー仕立てで、贋金づくりの主犯ウィリアム・チャロナーとニュートンとの…

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?〜ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!〜、アトゥール・ガワンデ著、吉田竜・訳、晋遊舎、p.239、\1680

ミスを減らす上でのチェックリストの重要さを、医師でありジャーナリストの筆者が自らの体験も含め具体例を用いて説いた書。本書が挙げる事例は多彩である。パイロット、医者、建築家、料理人、などなど。チェックリスト作成時の勘所も伝授する。さほど特異…

幸福の方程式〜新しい消費のカタチを探る〜、山田昌弘、ディスカヴァー・トゥエンティワン、p.238、\1050

パラサイト・シングルや格差社会を提唱した社会学者と電通のチームハピネスが見出した「成熟社会における幸福の条件」。高度成長期からバブル期までは、幸福というものが、物質的豊かさを求める消費活動と結びついてきた。モノを買うことに幸せを見出してき…

秘密戦争の司令官オバマ〜CIAと特殊部隊の隠された戦争〜、菅原出、並木書房、p.263、\1680

ノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマが率いる政権が繰り広げる特殊部隊を使った対テロ対策、無人機を使った暗殺作戦、サーバー攻撃による敵の重要施設の破壊・妨害工作などを暴いたノンフィクション。この書評で取り上げた「外注される戦争―民間軍事会社…

2050 老人大国の現実〜超高齢化・人口減少社会での社会システムデザインを考える〜、小笠原泰、渡辺智之、東洋経済新報社、p.289、\1890

高齢者が1000万人を超える2050年の日本。団塊ジュニアが後期高齢者期に入り終える時期である。実質GDPは現在より4割落ち込む。団塊ジュニアは団塊とそれ以前の世代の資産を食いつぶし貧困に陥る。その結果、2050年には国税収入のほとんどを貧しい高齢者の生…

ファスト&スロー(下)〜あなたの意思はどのように決まるか?〜、ダニエル・カーネマン、村井章子・訳、早川書房、p.350ページ、¥2205

行動経済学を日常生活に則して解説した書の下巻。「損失は同等の利得よりも強く感じる」というプロスペクト理論だけではなく、つい頷きたくなる事例が多く、上巻に負けず劣らず興味深い内容である。意思決定の際に、我々が陥りやすい罠の数々を紹介し懸命な…

Imagine: How Creativity Works、Jonah Lehrer、Houghton Mifflin、p.279、$26

集中して読む時間がとれなかったこともあり、読了するまで半年もかかってしまった。WIREDの編集者である筆者は、イマジネーションとは何か、どこから生まれるかについて、古今東西の事例をひきながら論じる。この手のビジネス書の常連である米3Mや米P&G、米P…