2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧
豊富な事例をもとに、流行の行動経済学を解説した書。秀抜な内容で知的好奇心を満足させられる。消費行動における人間の不合理さがよく理解できる内容になっているので、人間が合理的に行動することを前提に組み立てられ、数学と化している経済学の限界を説…
容易ならざる事態が日本社会で進行している。20年後の2030年、生涯未婚率は男性で29%、女性で23%。50代・60代の4人に一人が一人暮らしになる。こうした単身世帯が今後急増する結果、社会的孤立や貧困、介護難民、孤独死が社会問題化する。劣化著しい政治状…
医師と看護師、患者・家族がそれぞれの視点で病気を語る「病気を生き抜く」シリーズの2巻目。100万を超える患者がいるといわる「うつ病」を題材にして、どのように患者と向き合えばいいのかを解説する。うつ病はすっかり身近な病気となっており、上司として…
弁護士の手によるGoogle本なので、内容は著作権やプライバシー関係と思って購入したが大外れ。日本の著作権制度についての言及もあるが、インターネット検索におけるGoogle寡占化や偏向の問題点と解決策を真正面から扱っている。日本のヤフーがグーグルの検…
ノンフィクション作家の山根一眞が、2010年6月に帰還した惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを綿密な取材で追った書。技術や技術者への筆者の暖かい眼差しを感じさせるノンフィクションに仕上がっている。技術者のロマンが満載で、ぐっと胸に迫る場面がい…
このところ隔週で新幹線に乗っていることもあり、つい購入した書。東京-新大阪間で車窓から見ることができる風景や建造物、看板などを、1ページに1件、全部で100件取り上げる。1ページは写真と100〜200字程度の解説文、通過時刻、さらにフッター部分に新幹線…
副題が本書の内容をよく表している。179件の企業経営の失敗事例を次から次へと紹介する。430ページほどなので、1件あたり2ページ強と実に目まぐるしいが、それぞれの事例について顛末、主役(責任者)、失敗の原因(盲点)について解説している。経営者に対…
誰もがいつかは向き合わなければならない、自らの死や身内の死。重い話題を取り上げた信濃毎日新聞の連載記事に、読者からの投書を織り交ぜて単行本化したもの。示唆に富む指摘が多い良書である。一読を薦めする。 本書が扱う話題は多岐にわたる。認知症と死…
江戸時代の宝永噴火から300年のあいだ沈黙を続ける富士山だが、れっきとした活火山。その富士山が噴火したら何が起こるかを分かりやすく解説した書。火山とは何か、噴火とは何かを明らかにするとともに、人体や生活、社会、コンピュータへの影響などを論じる…