2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
赤塚不二夫の担当を35年にわたって務めた小学館の元編集者が、赤塚の日々のハチャメチャな生活やマンガにまつわる裏話、少年マンガの変遷などを紹介した書。古き良き編集者と作家の関係が描かれている。著者の赤塚への愛情があふれた1冊である。昭和30年代生…
チェスに詳しくないので、本書の主人公で元世界チャンピオンのボビー・フィッシャーについてはまったく知らなかった。本書は、そのフィッシャーが波乱に富んだ人生を丹念に追った評伝。日本との関係をはじめ、へ〜っという逸話がてんこ盛りで実に面白い。フ…
ビッグデータへの関心の高さが影響したのか、あるいは刺激的な書名や挑発的な語り口が奏功したのか分からないが、ベストセラーになっている書。統計学が最強な理由について研究成果と事例をたくみに用いながら論じている。帯には「入門書」とあるものの、ハ…
千葉大学 法医学教授の司法解剖医とノンフィクション作家が日本における検死制度の問題を告発した書。日本で発生する年間15万体の「変死体」のなかで、司法解剖されるのはわずか5000体に過ぎない。変死体は多くの場合、病死で片づけられてしまう。暴行死や保…
話し言葉は「文字通り」には伝わらないことを、具体的な事例を挙げながら社会心理学の観点から論じた新書。親しい間柄では話していないのに真意が伝わることや、逆に親しくないと丁寧に説明しているのに誤解されるといったことは、多くの方が体験しているだ…
タイトルと中身に少しギャップがある書。なぜ「リスク」という言葉がさまざまな領域で使われ注目されるようになったのかを、医療・医学領域の状況から解き明かそうと試みた書。なかなかチャレンジングなテーマ設定であるし、ある程度は成功している。例えば…
ちょっと変わった世界史読本。“暗記”教科になっている世界史教育の現状を嘆く筆者は、世界史を物語として縦横無尽に展開する。評者のような歴史好きが空き時間に気軽に読むのに向くである。 筆者は、古代ギリシアから現代までの3000年を対象に蘊蓄を傾けなが…
ブライアン・カーニハンとデニス・リッチーといえば「プログラミング言語C」である。評者が組み込みエンジニアだったころ、C言語の教科書といえばこれだった。本書は、カーニハンがディジタル社会と情報技術について最低限知っておくべき事柄を分かりやすく…