2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

英国一家、日本を食べる、マイケル・ブース、寺西のぶ子・訳、亜紀書房、p.280、¥1995

英国のトラベル/フード・ジャーナリストが家族同伴で日本を食べ歩いた100日間を綴った書。東京、横浜、札幌、京都、大阪、沖縄、福岡と行動範囲は実に広い。よく知られた名店、玄人筋がひいきにする一見さんお断りの店、ごく庶民的な店と紹介される店はバラ…

太陽 大異変〜スーパーフレアが地球を襲う日〜、柴田一成、朝日新書、p.211、\798

京都大学の天文台長で太陽物理学者の筆者が、最新の研究成果をもとに太陽の素顔に迫った書。大爆発(スーパーフレア)や黒点が生じる仕組み、地球に与える影響について論じる。新書らしい内容で、ちょっとした知識を身につけるのに役立つ。太陽の物理に関す…

鼻の先から尻尾まで〜神経内科医の生物学〜、岩田誠、中山書店、p.224、\2940

神経内科医が人間の体の不思議を、鼻の先から尻尾にわたって解説した書。編集者の試みは悪くないが、一つひとつの部位の説明が短いのと、専門用語を無造作に多用している面があり、素人には読みづらい。筆者は洒脱な学者のようだが、それを活かしきれていな…

クレイジー・ライク・アメリカ:心の病はいかに輸出されたか、イーサン・ウォッターズ、阿部宏美・訳、紀伊國屋書店、p.342、\2100

米国が心の病気を輸出していることを、香港の「拒食症」、スリランカの「PTSD」、ザンジバルの「統合失調症」、日本の「うつ病」を例に挙げて論じたもの。うつ病の話はなかなか衝撃的だ。米国人は精神疾患の概念を輸出し、その疾病分類や治療法を世界標準に…

産みたいのに産めない〜卵子老化の衝撃〜、文藝春秋、p.259、\1470

2012年6月放送のNHKスペシャルを単行本化したもの。リアルタイムで番組を見られなかったのが残念である。本書は読むと切なくなると同時に、不妊に関する知識の欠如を思い知らされる。英国の大学教授は、「日本は不妊についての正しい知識が不足しているうえ…

のめりこませる技術〜誰が物語を操るのか〜、フランク・ローズ、島内哲朗・訳、フィルムアート社、p.439、¥2310

さほど期待せずに読み始めた本が、意外にも“当たり”だった経験が1年に何回かある。本書はそんな1冊だ。米WIRED誌の編集者兼ライターでIT業界に詳しい筆者らしく、テレビや映画といったエンタテインメントのほか、広告、ゲームなどの製作者が、どのような工…