2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
民主党政権への交代によって生まれた経済政策の転換や混乱を、経済学の概念を使って分析した書。「なぜ政党の主張は似てくるか」「コンクリートから人への経済効果をどう考えるか」「戸別補償制度で日本の農業は強くなれるのか」「政策の先送りが行われるの…
脳科学者が脳卒中で倒れた体験を綴った書。37歳の筆者を突然襲った脳卒中の症状を、科学者らしく冷静に分析しているのには驚く。しかも自らの専門分野だけに示唆に富む指摘が多い。時系列で症状の変化、手術、リハビリの様子を詳細に述べているので、追体験…
タイトルの「次に来るメディアは何か」と中身にギャップがある。インターネットやケータイ、タブレットを軸にした“メディアの未来”を期待して読むと失望する。電子新聞を含め新聞のビジネスモデルの話に終始する。確かに日本では朝日新聞の赤字決算と希望退…
著作権に関する最近の動向をコンパクトにまとめた書。新書らしい新書に仕上がっている。事例の選び方が秀抜なので、ぐっと引き込まれる。デジタル技術によって顕在化した法律と実社会とのギャップ、フェアユース規定の日本に導入する動きとその問題点、国立…
認知症の患者は200万人を超えると言われる。医療の進歩によって否応なく生かされる状況のなか、認知症はきわめて身近な病である。親世代だけではなく、自らもその危険性にさらされている。物忘れがひどい評者など戦々恐々である。本書は、医師、看護師、認知…
いま話題のNHK教育テレビ「ハーバード白熱教室 13回」をちらちら見ながら、この書評を書いている。本書の著者・サンデル教授と学生たちの緊張感あるやり取りを見ていると、若さがつくづく羨ましくなってしまう。ハーバード大学で史上空前の履修者数を記録し…
評者は学生時代に周遊券で日本全国を歩き回ったこともあって、鉄道好き、時刻表好き、地図好きである。タイトルに引かれて、つい本書に手を出した。過去100年以上にわたって更新され続けてきた国土地理院発行の新旧地図を見比べて、時代の変遷を追うというの…