2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Slingshot: AMD's Fight to Free an Industry from the Ruthless Grip of Intel、Hector Ruiz、Greenleaf Book Group Llc、p.200、¥2426(原書)/¥644(Kindle版)

米AMDでCEOを務めたHector Ruizが、米Intelとのバトル、提訴までの経緯、パソコン・メーカーとの駆け引き、製造部門の分離など在職中の出来事を振り返った書。出色なのは、やはりライバルIntelを巡る話。IntelがAMDの追い上げをかわすために、パソコン・メー…

「フクシマ」論〜原子力ムラはなぜ生まれたのか〜、開沼博、青土社、p.412、\2310

このところ集中的に読んでいる社会学者・開沼博のデビュー作。3.11直前に行った福島原発の周辺地域のフィールドワークがベースになっている。筆者が前書きで書いているように、2011年3月11日以前の福島原発について書かれた最後の学術論文である。本書を読む…

習慣の力、チャールズ・デュヒッグ、渡会圭子・訳、講談社、p.394、\1995

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー欄にずっと居座っている書。気になっていたが、ようやく日本語訳が出たので購入。「キーストーン・ハビット(要となる習慣)」と呼ぶ良い習慣を増やせば、人生や生活、ビジネス、社会は劇的に改善することを、豊富な…

空気」の研究、山本七平、文春文庫、p.237、\490

やはり名著だった。「空気」の研究は、大学生のときに月刊文藝春秋で読んで切り口の鋭さと説得力に感銘を受けた記憶がある。それから35年。文庫本で再読したが、まったく古びていない。むしろ東日本大震災以降の状況を見事に言い当てている。読むほどに凄み…

センス入門、松浦弥太郎、筑摩書房、p.159、\1365

暮しの手帖編集長が考える、センスよく生きるための書。「センスのいい人とは?」「センスを磨くアイデア」「センスの手本」について持論を展開する。筆者の趣味が装丁やイラストなど本全体に反映されており、紙ならではの趣をもつ書籍に仕上がっている。肩…

プライドの社会学〜自己をデザインする夢〜、奥井智之、筑摩選書、p.256、\1680

「プライドとは何か」について、自己、家族、地域、階級、用紙、学歴、教養、宗教、職業、国家と10の切り口から解き明かした社会学の書。プライドといえば心理学的な側面から語られることが多いが、実は「社会的な事象なのではないか」というが本書の出発点…

反省させると犯罪者になります、岡本茂樹、新潮新書、p.220、\756

悪いことをした人間を“反省”させても更生にはつながらないことを力説した書。筆者は立命館大学教授として教壇に立つとともに、刑務所で累犯受刑者の更生支援にも携わっている。刑務所や教育現場での体験に基づき、「犯罪者に反省させるな」「子どもに反省文…

内向型人間の時代〜社会を変える静かな人の力〜、スーザン・ケイン著、古草秀子・訳、講談社、p.360、\1890

ビジネスパーソンとしては損な性格と思われる内向型。筆者は、この俗説を事例や最新の知見に基づき覆す。内向型だからといって成功するわけではないが、ビジネスに成功するための資質として優れた面が少ないことを説得力をもって論じる。ここでいう内向型人…