2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
生物学は評者が好む分野の一つ。多くの書籍を読んでいるが、そのなかで特に印象に残っている2冊がある。「試験管のなかの生命〜細胞研究入門〜」と「ゾウの時間 ネズミの時間〜サイズの生物学〜」だ。いずれも生命や生物の不思議や魅力を巧みに紹介している…
軍用ロボットの過去・現在・未来を詳細に追ったノンフィクション。ロボットだけではなく、無人航空機や非致死性兵器などの最新兵器や研究開発に関するエピソードや事例が満載である。1991年の湾岸戦争は空爆の様子をリアルタイムで映し出し、戦争のイメージ…
チェルノブイリ原子力発電所で事故が起こったのは1986年4月26日。今から25年前である。本書は、原発事故が生態系にどのような影響を与えたのかを追ったルポルタージュ。ウクライナ系米国人ジャーナリストが現地に赴き、チェルノブイリだけではなくベラルーシ…
ペストや天然痘といった感染症が、古代以来の人類にどういった影響を与えたかを論じた書。文明が感染症の流行の土台となるとともに、感染症の存在によって文明が守られ、拡大を支えたこと、感染症の存在が社会の在り方に影響を与えたことを明らかにする。ス…
一種の奇書である。筆者は犯罪行動生態学の書と位置づける。伝説の大泥棒「忍びの弥三郎(のびのやさぶろう)」が服役中に書き記した6冊の日記をもとに、元警察庁の犯罪研究者だった筆者が防犯の要諦を解説している。犯罪者の心理に焦点を当て、犯罪予防のポ…
古賀常次郎といっても、ほとんどの方はご存じないだろう。評者も同じだったが、ひょんなことから会社の会議で古賀の話題が出てさっそく購入。「こんな快男児が佐賀県にいるのだ」と驚かされた。どちらかと言えば若い方々、特に小中学校の生徒に読んでもらい…
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、ルパート・マードックの手にどうして落ちたのか(買収されたのか)を克明に追ったノンフィクション。副題の「なぜ世界屈指の高級紙はメディア王マードックに身売りしたのか」が、本書の内容をよく表している。今や…