2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

藤原道長の日常生活、倉本一宏、講談社現代新書、p.288、\840

藤原道長が綴った日記「御堂関白記」(世界最古の自筆日記)に基づき、道長や平安貴族の日常生活、平安時代の風習・風俗などを解説した書。筆者は、自筆日記の書き方や書き換え、抹消、誤字などから道長の心象風景を推察する。このあたりの手法はなかなか面…

レジリエンス 復活力〜あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か〜、アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー、須川綾子・訳、ダイヤモンド社、p.416、\2520

災害や事故・事件のような急激な状況変化に適応できる組織や機関、システムをどうすれば構築できるのか。本書はレジリエンス(resilience)と呼ぶ研究分野をキーワードに、適応力の高い社会の在り方と構築の仕方を論じている。示唆に富む議論の展開と豊富な事…

漂白される社会、開沼博、ダイヤモンド社、p.488、\1890

元ライターで現在は東大の博士課程に在籍する社会学者の書。さすがにAERAや文芸春秋などで鍛えられただけあって、地に足の着いた社会論になっている。理屈をこねくり回し、すんなり理解できない内容の社会学の書籍とは一線を画している。教えられることの多…

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る、川上和人、技術評論社、p.272、\1974

文句なく楽しめる恐竜学の啓蒙書。ここ10年ほどの恐竜学の進展は目覚ましく、鳥類と恐竜の関係に対する見直しが進んでいるという。本書は鳥類学者である著者が、最新の研究成果とともに鳥類の祖先に当たる恐竜について縦横無尽に語る。軽妙な語り口も良いア…