2010-01-01から1年間の記事一覧
ソニーでVAIOやスゴ録の開発を指揮し、その後グーグルに転じて日本法人社長を務めた辻野晃一郎の書。22年間勤めたソニーに対する哀惜の情にあふれている。本書の最大の特徴は、ソニーが輝きを失った理由を、経営幹部からの視点でえぐり出しているところ。内…
米AppleのMacintosh SEやソニーのトリニトロンTVのデザインを手掛けた世界的な工業デザイン会社 米frog design創始者による経営書。ソニーやルイヴィトン、アップル、ルフトハンザ航空、SAPの出会いと、それぞれのデザイン・コンセプトが出来上がるまでのプ…
神戸女学院教授による辛口メディア論。大学での授業をベースに、軽い語り口で新聞・出版・放送メディアの危機を論じる。新書らしく読みやすい内容に仕上がっている。ただし議論自体は間違っていないが、ありがちな指摘が多いのは残念。メディア論の初学者に…
自民党の長期政権を支えた仕組みと、それが公共政策にもたらした影響を解明した日本政治論。長期的にみた場合、自民党の利益誘導政策が支持基盤の弱体化をもたらし、民主党政権につながったことを明らかにする。この手の書には珍しく、データと数式を使って…
アリ、ミツバチ、シロアリ、鳥、バッタが群れとしてみせる脅威の能力を紹介した書。本書の狙いは、生物の行動から得られる教訓を人間組織の運営に生かすこと。人間社会やビジネスに簡単に適用できるとも思えないが、示唆に富む内容なのは間違いない。 これら…
経営学者の伊丹敬之が著した本田宗一郎の評伝。本田の魅力全開となっている。夢、希望、情熱、挑戦の大切さを教えてくれる言葉が満載で勇気づけられる。伊丹が評伝を書くというのは少しミスマッチな気もするが、出来のよい書に仕上がっていてお薦めである。…
医療を巡る不正の数々を、足を使った丹念な取材で追ったノンフィクション。2010年5月に放映されたNHKドキュメンタリー番組を基に構成している。本書が扱う題材は重く、読後は暗澹たる思いにさせられる。矛盾だらけで展望の開けない日本の医療制度・介護…
国庫から“埋蔵金”を発掘した高橋洋一が、日本の金融・経済政策、とりわけ日本銀行を徹底的に批判した書。日本はなぜ不況なのか、危機はいかに克服されるのか、これからの日本経済はどうなるのか、日本経済は破綻するのかといった視点から、日本銀行、民主党…
米Appleを中心にイノベーションを生む秘訣を説いた書。イノベーションとは何か、イノベータとは何かを解き明かす。優れたリーダー論になっているが、タイトルのSteve Jobsは売るためのテクニックと考えた方がよい。Jobs本、Apple本、イノベーション本として…