2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧
評者が記者として現場を走り回っていたのは約20年前。専門分野はマイクロプロセサだった。筆者の大原雄介氏と、インテルやAMDの記者会見の場でよく一緒になったのを記憶している。本書は、マイクロプロセサの失敗作(黒歴史)をその背景とともに紹介した書で…
大英博物館の所蔵品に歴史を語らせるシリーズの2冊目。本書の対象は紀元前300年から1500年まで。想像をたくましくして太古の人類を描いた第1巻ほどのインパクトはないが、ロゼッタストーンやアレクサンダー大王の金貨といった有名どころが登場するので、それ…
先日書評した「刑務所の経済学」の筆者が、「第49回 2006年度 日経・経済図書文化賞」を受賞した出世作。この著者には「相撲の経済学」「お寺の経済学」とついつい誘われるタイトルをつけた本が多い。なかなかのマーケティング巧者である。本書には経済学と…
オリンパス事件をスクープした月刊誌FACTAの発行人・阿部重夫を中心にしたジャーナリストと経済学者が、日本社会に巣食う問題点に切り込んだ書。20年前に端を発したオリンパスの不正が、長年にわたって露見しなかった理由を切れ味よく暴いている。阿部のジャ…
アンケート調査と経済学的手法によって、幸福度を定量分析した書。日本だけではなく米国の幸福度にも言及し、日米の比較はなかなか興味深い内容となっている。多くは直感と合致するが、「へ〜」と意外感のある分析も含まれ、堅目の学術書にしては楽く読める…
人間の行動をつぶさに観察して、行動の裏に隠されている潜在ニーズや課題、ノウハウを見出す「行動観察」を紹介した新書。行動観察をマーケティングや店舗設計、人材育成、工場の生産性向上などに役立てた事例が実に興味深い。類書が出版されていないか、つ…
パーソナル・ファブリケーションの入門書。パーソナル・ファブリケーション(工業の個人化)とは何か、歴史、世界的な活動状況、日本の状況、14週にわたる講習の内容などについて解説している。初めて知った話が多く、興味深い内容にあふれている。日本で普…
スイスに本拠を置くビジネススクールIMDの学長と日本代表が、日本企業の戦略を分析するとともに、今後に向けた処方箋を書いた本。ビジネススクールらしくネスレ、GE、ヴェオリアなどの事例をあげながら、日本企業に足りない部分を指摘する。強化すべきポイン…
インテルの吉田社長の書。タイトルから推察できるように10代の若者向けである。「英語は必要か」「世の中はどうなるか」「どんな仕事がいいか」といった疑問に答えるとともに、吉田社長が面識のある著名人との対談を収録している。ちなみに吉田社長には取材…
「人間とは何か」を探ったNHK特集を単行本化した書。心の進化、道具、農耕、お金と大きく四つの切り口で人間の進化を追っている。構想からTV放映まで12年を費やしたプロジェクトである。考古学はもちろん、心理学や遺伝子学、脳科学、経済学の最新の知見をカ…
「なぜ医者は診断を間違えるのか」「誤診しない医者の特徴は何か」について、ハーバード大学医学部教授が論じた書。興味深い話が満載である。3年で5人の医者を渡り歩いて痛みの原因を突き止めた自らの体験も含め、事例が豊富である。こんな病気があるのか、…
鉄道高架の下に広がる空間「ガード下」を訪ね歩いた書。ガード下がどのように誕生し発展したのか。法律(権利関係)はどうなっているのか、住所表記はあるのか、などのエピソードを満載する。系統だった調査ではないのでガード下の網羅性については少々疑問…