英国一家、日本を食べる、マイケル・ブース、寺西のぶ子・訳、亜紀書房、p.280、¥1995
英国のトラベル/フード・ジャーナリストが家族同伴で日本を食べ歩いた100日間を綴った書。東京、横浜、札幌、京都、大阪、沖縄、福岡と行動範囲は実に広い。よく知られた名店、玄人筋がひいきにする一見さんお断りの店、ごく庶民的な店と紹介される店はバラエティに富む。身近なだけに気づかない日本の食の奥深さを感じさせる書である。料理の達人で知られた服部幸應(服部栄養専門学校長)、料理研究家の辻静雄(辻調理師学校創設者)の長男・辻芳樹との交流も実に興味深い。
1日に何軒もラーメン屋をハシゴしたりと、100日間の滞在期間中の食べっぷりは凄まじい。個人的にはあまり美味しそうな感じがしないのだが、これは評者の味音痴のためだろう。食道楽の方にはたまらない1冊かも知れない。