2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

調理場という戦場〜「コート・ドール」斉須政雄の仕事論〜、斉須政雄、幻冬舎文庫、p.283、\630

三田にある有名フレンチ・レストラン「コート・ドール」のオーナーシェフ・斉須政雄が、フランスでの修行時代の思い出や料理哲学を綴った書。料理哲学は人生哲学につながっており、含蓄のある内容で読み応えがある。エピソードの一つひとつが味わい深く、読…

エリア51〜世界でもっとも有名な秘密基地の真実〜、アニー・ジェイコブセン、田口俊樹・訳、太田出版、p.536、\2520

ラスベガスの北120kmにある軍事施設エリア51の謎に、ジャーナリストが迫ったノンフィクション。エリア51の存在を米政府は認めておらず、地図にも載っていないという。このエリア51をめぐる最大の話題は、UFOの墜落と宇宙人の遺体回収で知られる「ロズウェ…

オープン・サービス・イノベーション〜生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する〜、ヘンリー・チェスブロウ、博報堂大学 ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ・監修、TBWA博報堂・監修、阪急コミュニケーションズ、p.304、\2310

サービスをオープン化してイノベーションにつなげ、コモディティ化による価格競争に陥らないための方策と事例を紹介した書。オープン・イノベーション研究の第一人者の筆者が、対象をモノからサービスに広げ論考を加えている。オープン・イノベーションによ…

昭和という時代を生きて、氏家齊一郎、塩野米松(聞き手)、岩波書店、p.304、\2520

日本テレビの前会長・氏家齊一郎のオーラルヒストリー。本書は、渡邉恒雄や網野善彦、石原慎太郎らとの交遊、共産党や演劇との関わり、歴史観、朝日新聞と読売新聞との対比などを語っている。ちなみにナベツネは、高校時代から友人で読売新聞の記者としても…

ぼくらの近代建築デラックス ! 、万城目学、門井慶喜、文藝春秋、p.197、\1628

2人の作家が大阪、京都、神戸、横浜、東京の5都市の近代建築を訪ね、思い思いに批評した書。来歴や建築家などについて数々の蘊蓄が語られ、読んで楽しい。建築物好きで、5都市のうち大阪、京都、横浜、東京の四つに住んだことのある評者にはたまらない。残…

さらば国策産業〜「電力改革」450日の迷走と失われた60年〜、安西巧、日本経済新聞出版社、p.286、\1680

新聞記者らし丹念な取材で、日本の電力会社と原子力政策を徹底的に批判した書。「既得権益を守る」体制の強固さを浮き彫りにしている。歴史的な背景を明らかにしたり、海外の電力事情を紹介したりと、バランスのよい構成になっている。全体に考えさせられる…

訣別 ゴールドマン・サックス、グレッグ・スミス、徳川家広・訳、講談社、p.458、\1995

筆者は、20代後半でバイス・プレジデントに就くなど、若くしてゴールドマン・サックスの幹部に昇進したエリート。本書は、筆者がスタンフォード大学在学時代のインターン経験から、リーマンショック以降に拝金主義がはびこるようになった社風に疑問を抱いて…

秋葉原、内田ラジオでございます。、内田久子、廣済堂出版、p.183、\1365

本書に触発され、この日曜日に秋葉原ラジオセンター2階「内田ラジオ」に立ち寄った。ラジオセンターにはそこそこお客さんはいたものの、内田ラジオに人影はない。店内に並ぶクラシカルなラジオやパーツは興味深く拝見したが、残念ながら筆者である店主・内田…