飛鳥・奈良時代〜律令国家と万葉びと〜,鐘江宏之,小学館,p.366,\2500

minami_chaka2008-08-16

 歴史上の大事件への言及は最小限にとどめて,飛鳥・奈良時代の庶民の生活に焦点を当てた「日本の歴史 第3巻」。身近というか下世話な感じが出ていて興味深く読める。飛鳥・奈良時代ともなると文書が残っていることもあり,縄文/弥生時代のように自由自在に想像をめぐらすといった感じ薄れる のは仕方がないところか。まあ,それでも十分にロマンを感じる。
 本書が扱うのは,文字,朝鮮や中国との関係,渡来人の果たした役割,役人の誕生,万葉びとの生活,開発と環境問題と多彩。秀抜なのは後半部である。「役人の誕生」では今も昔も変わらない役人根性が笑えるし,「万葉びとの生活」では衣装