世界を変えた100日〜写真がとらえた歴史の瞬間〜,ニック・ヤップ著,日経ナショナルジオグラフィック社,p.313,¥2940

minami_chaka2009-01-09


 サブタイトルの「写真がとらえた歴史の瞬間」が内容を端的に表している。掲載されているのは,米国の雑誌National Geographicと写真ライブラリ会社Getty Imagesが選んだ報道写真。250点あまりが載っている。それぞれの写真に時代背景や写真技術の変遷を説明した解説文がつく。どちらかというと評者には後者の話が興味深かった。死体の写真も何点か載っているが,基本的に露悪的な衝撃写真は少ない。大判のページで見る鮮明な歴史的写真に興味は尽きない。2940円を払って購入するだけの価値はあるだろう。
 掲載しているのは,1951年5月1日の第1回万国博覧会に始まり,リンカーン大統領暗殺と犯人グループの処刑写真,ビクトリア女王ライト兄弟の初飛行,マチュピチュの発見,ツタンカーメン王の墓発見,アポロ11号の月面着陸,チェルノブイリ原発事故,2005年8月25日のハリケーンカトリーナで終わる。写真のもつ凄さに浸れる一冊である。