談合の経済学〜日本的調整システムの歴史と論理〜,武田晴人,集英社文庫,p.325,¥533

minami_chaka2008-07-14

 先月の書評で取り上げた「市場検察」で参考文献として挙がっていた書。繰り返される談合について,歴史的背景を振り返りながらその経済的な意味を論じている。豊富な具体例を使って,日本社会に根付く調整システムの仕組みを解説する。「そういえば,そんな事件があった」と思い起こされるものばかりである。逆に言えば,読んでもそれほど驚く事実があるわけではなく,何となく単調である。一方で,談合に効果絶大だった「課徴金減免制度」の凄さが伝わってくる。