【非公認】Googleの入社試験,竹内薫,徳間書店,p.192,?1000
飛ぶ鳥を落とす勢いの米Googleの入社試験を,ネットに散らばった情報をかき集めて再現した書。Googleが正しいと認めたわけではなく真偽のほどは分からないが,何となくそれらしい珍問,奇問,難問が並んでいる。全部で37問が,難易度で分類して掲載されている。もし本気で全部を解こうと思ったら,少なくとも1週間は必要だろう。
「むかしMicrosoft,いまGoogle」といった感じで,Googleは世界中の英才を集めている。その英才たちの能力を試験問題から測ろうという筆者の企画は,怪しげな匂いを放ちながらも成功している。ちなみに筆者は科学ジャーナリストで,「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」「天才の時間 」といった著書がある。本書では,著者だけではなく木村美紀(現役の東大大学院生タレント),現役IT技術者,数学科卒塾講師,物理系大学院生,グーグル系プログラマらが入社試験に挑戦する形をとって話を進める。架空の設定かもしれないが,回答はそれぞれの特徴が出て面白い。
入社試験は正直言って難しい。学会誌に登場するような難問がさりげなく出題されている。しかも問題の意図がどこにあるのか分からない設問が少なくないので,真面目に応えるのか,ウイットを利かせるべきか大いに戸惑う。「脳のスタミナ」が試されている気もする。考え方が柔軟で,しかも気力が充実し持続もする若い人を,Googleが求めているのがよくわかる。評者のような年寄は根気が続かない。もちろん頭の回転が最盛期だった大学入試のころでも,どう考えても歯が立たない問題も多いが・・・。