2030年 メディアのかたち、坪田知己、講談社、p.256、¥1050

minami_chaka2010-04-05

 日本経済新聞の記者だった坪田知己によるデジタルメディア論。デジタルメディアの取材歴が20年超と、この分野を長くウォッチしているだけに、過去からの流れをうまく整理している。デジタルメディアの変遷をたどる上で一級の書といえる。マスコミの現状に対する批判も的を射ておりさすがである。勉強になる指摘が多い。
 逆に将来展望で特筆すべき点は多くない。とりわけタイトルとして20年後の2030年を出したのはいかがなものか。少々先すぎる気がする。最近のペースを考えると、筆者が思い描くメディア像は案外早く実現しそうだ。