「お手本の国」のウソ、田口理穂ほか、新潮新書、p.238、\777


 隣の芝生は本当に青いのか。「巷間伝わる他国の美点は正しいのか」「本当にお手本になるのか」を、現地在住のジャーナリストが論じた書。「ドイツは戦争責任問題を整理した」「フランスは少子化問題を解決した」「子どもの学習法なら『フィンランドメソッド』」「イギリスの二大政党制は機能している」「アメリカでは国民参加の裁判が当たり前」「ニュージーランドは政界有数の自然保護大国」「フランスは少子化問題を乗り越えた」といった、ステレオタイプ的な常識六つについて実態を紹介する。おまけとして、「お手本にならない国」を代表してギリシアについて触れる。現地在住のジャーナリストの個人的見解の域を出なかったり、筆者によって出来不出来があったりするが、各国の一面をとらえているのは確かで興味深い内容である。