日本語

ん〜日本語最後の謎に挑む〜、山口 謠司、新潮新書、p.190、\714

日本語の「ん」は不思議な存在である。五十音表ではオマケ扱いだし、母音でもなく子音でもない。単体では意味をなさないが、「ん」がない日本語なんて考えられないし、シリトリが成り立たなくなってしまう。偉大なバイプレーヤーとしての独特の存在感がある…

日本語が亡びるとき〜英語の世紀の中で〜,水村美苗,¥筑摩書房,p.330,¥1890

多くの書評で取り上げられているので期待を持って読んだが,完全に裏切られた。300ページにわたって著者のとりとめのない話と自己満足に付き合わされる。筆者の主張は,「今の日本語教育はなっていない」「インターネット時代の到来で英語がますます強くなり…

Google: Unicode conquers ASCII on the Web

WWW でもっとも一般的なコードが Unicode になったという話。しかし,欧州の言語に何ということを! European peasant letters bristling with umlauts, cedillas, and tildes

文章のみがき方,辰濃和男,岩波新書,p.240,\780

天声人語を13年にわたって書き続けた筆者が,「いい文章」を書くためにの心がけを披露したもの。夏目漱石,向田邦子,よしもとばなな,村上春樹,太宰治,山口瞳といった面々のノウハウを引きながら持論を展開する。引用が適切で,「ちょっといい話」が多く…

ベック剣士の激辛批評〜誤訳,悪訳,欠陥訳,別宮貞徳,バベル・プレス,\2200,pp.230

全編,翻訳に関する罵詈雑言であふれている書。上智大学の元教授で翻訳家の別宮貞徳が,ちまたにあふれる誤訳・悪訳・欠陥訳をバッサバッサと切り捨てている。痛快。10数年前に発行された本だが,あまり古さを感じさせない。けっこう有名な作家にも容赦のな…

日本語は天才である,柳瀬尚紀,新潮社,p.222,\1400

本書の著者は,J・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」,R・ダールの「チョコレート工場の秘密」などの翻訳を手がけた英文学者。日本の奥深さを書き連ねている。 朝日新聞などの書評に取り上げられたせいか,なぜか入手が困難だった(あるオンライン書店で…